さよならスーパージャンボ/B747SR、−200


 2006年3月10日。鹿児島発東京行、NH624便での運航をもって、27年にわたる全日空での在来型B747の運航が終了した。ラストフライトに使用されたのは最後まで残ったただ一機のSR、JA8157号機であった。報道によると、総フライト距離は地球20000周分にもなるという。本来の747の使用条件とは真逆の短距離国内線で、強化装備を付与されていたとはいえ、無事故で運航を終えた本機を称えて、簡単ながら特別ページを作成させてもらった。


最終便に使用されたJA8157。最後まで残ったSRで、「全日空」の横に英文タイトルが付与されていることから一時期国際線にも使用されていたことがわかる。航続距離はLRに比べて短いものの、そのキャパシティを買われて近距離国際線に就航していた。主に韓国方面、ソウル線で運航されていた。

機番識別不能であるが、英文タイトルが無いところをみると、生粋のSRのようだ。

羽田空港沖合い移転後まもなくの頃。A滑走路へと離陸にむけて地上滑走するJA8136号機。
94年といえば、−400も入ってきているものの、まだB777は無く、僅かに残るL1011と共に国内幹線、亜幹線で大活躍していた頃だ。

雨の関西空港、着陸後誘導路へ向けて滑走路を離れる、JA8138号機。2001年撮影で、徐々に退役の兆しが見え始めた頃だ。すでに、何機かは退役しており日本貨物航空(NCA)でSRF、貨物機として第二の機生を歩んでいる仲間もいた。

成田空港で離陸前ホールドするJA8175。LRの写真は意外と少ない。SRよりも後年に導入された−200LRだが、国際線の主力がB747−400とB777−200に早めにシフトしてしまったため、結果として早期導入のSRよりも全機退役は早まってしまった。SR同様、機齢も若いことから貨物機として改修されてNCAで使用されている機体もある。日本国内の短距離、高離発着回数という特殊な条件下で使用されるSRと異なり、世界標準型のLRに関しては中古機も混じっていたのが特徴だ。写真は94年の撮影この頃の国際線は長距離を−400とLRが近、中距離をB767−300ERが担当していた。たしか、L1011に関しては94年には国際線からは撤退していたと記憶している。着陸するユナイテッド旧々塗装のDC10も懐かしいものがある。

最後に1985年、羽田空港で撮影したSRを1点。機番不明ながら昔なつかしのモヒカンルックである。左側のL10(これもモヒカンルック)と共に、日本国内幹線の主力として大活躍していた時代のスナップである。ちなみに、画面右にはJALの旧々塗装のSRとDC10が写っていたが、今回掲出にあたり若干トリミングさせてもらった。


 改めて考えると撮影しているようで、意外と撮影していないB747。ポジではそこそこ撮影しているようなので、機会をみてこのページも増補していきたいと考える。
 うきはにとって、SRは初めて乗った飛行機であり、初めて仕事をした飛行機でもある。思い入れも大きく、退役まで無事故で運航してきたことを誇らしく思う。全日空大量輸送時代のさきがけとなり、航空大衆化に寄与した功績、そして最後まで無事故でフライトを終えたB747を称え、最後のエールを送りたいと思う。

2006年3月11日 UP DATE

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